サトビングのよもやま話

日常の雑多な事やふと思った事などをとりとめもなく綴りたいと思います。

恋愛について

亀井勝一郎著「人生の思索」より抜粋です(少し長いですが)。


結婚は恋愛の連続であるとともに終結である。
「結婚は恋愛の墓場だ」と言われる。人はしばしば結婚してから失恋するものである。それはどういうことであろうか。
それまで互いに気づかなかったさまざまの弱点に気づくということもある。恋の惰性もある。移り気もある。しかし、そのために一々離婚していたら、人の一生は離婚の一生となるだろう。互いの弱点に気づくとは、互いの人間性に対して開眼させられたということである。弱点や欠陥のない人間はない。もし完全無欠な人間がいたとしたら、そのことがその人間の弱点となる。完全無欠であることによってあきるであろう。

恋愛とは美しい誤解だと言ったが、結婚とは恋愛が美しい誤解であったことへの惨憺(さんたん)たる理解である。結婚は恋愛への刑罰である。しかし、すべての人間が受けなければならない刑罰であるから、これに耐えることが必要である。人生にわがままはゆるされないのだから・・・。
そして、互いに弱点の多い人間同士として、恋愛から卒業し、人間として共同するよう心がけるべきである。それがいやなら一生を独身で送ることだ。その代わりその人は、人生に対する失恋者のような立場に置かれるだろう。


多様性を認める今の時代からすると少し古い考え方かもしれませんがどう思われますか?